○岩手町農用地利用増進規程
昭和53年2月15日
告示第5号
(実施区域)
第1条 岩手町(以下「町」という。)の行う農用地利用増進事業の実施区域(以下「実施区域」という。)は、別表に掲げる区域とする。
2 町は、利用権の設定をする者及び利用権の設定を受ける者の意向を十分把握し、その総意を尊重するとともに、公正を旨として農用地利用増進事業を実施するものとする。
(利用権の設定を受けるべき者の要件)
第3条 農用地利用増進事業の実施により実施区域内の農用地について、利用権の設定を受けることのできる者は、次の各号に掲げる要件のすべてを備えている者とする。
(1) その者が利用権の取得後において、耕作又は養畜の業務に供すべき農用地のすべてについて耕作又は養畜の業務を行うと認められること。
(2) その者が利用権の取得後において、耕作又は養畜の業務に必要な農作業に常時従事すると認められること。
(3) その者が利用権の取得後において、利用権の設定を受ける農用地を効率的に利用して耕作又は養畜の業務を行うと、認められること。
(4) その者が農業によって、自立しようとする意欲と能力を有すると認められること。
(5) その者の農業経営には、専ら又は主として農業経営に従事すると認められる青壮年家族農業従事者(農業生産法人にあっては、常時従事者たる構成員)がいるものであること。
(利用権の存続期間)
第4条 農用地利用増進事業の実施により設定される利用権の存続期間は、3年とする。ただし、利用権を設定する農用地において、栽培を予定する作目の通常の栽培期間からみて3年とすることが相当でないと認められる場合その他特別の事情があると認められる場合には3年と異なる存続期間とすることができる。
2 農用地利用増進計画においては、農用地利用増進事業の実施により設定される利用権の当事者が、当該利用権の存続期間の中途において解約する権利を有しない旨を定めるものとする。
(借賃の算定基準)
第5条 農用地利用増進事業の実施により設定される農地についての賃借権に係る借賃は、農地法(昭和27年法律第229号)第23条第1項の規定により岩手町農業委員会(以下「農業委員会」という。)が定めている小作料の標準額を十分考慮し、当該農地の生産条件等を勘案して算定するものとする。
2 農用地利用増進事業の実施により設定される採草放牧地についての賃借権に係る借賃は、その採草放牧地の近傍の借賃の額に比準して定めるものとする。
(借賃の支払方法)
第6条 農用地利用増進事業の実施により設定される賃借権に係る借賃は、毎年12月31日までに当該年に係る借賃の金額を一時に支払うものとし、その支払は、賃貸人が農業協同組合に貯金口座を有する場合は、その口座に振り込むことにより、その他の場合は、賃貸人の住所に持参して支払うものとする。この場合において、賃借人及び賃貸人の双方が当該農業協同組合に貯金口座を有するときは、原則として当該口座間の振替により借賃を支払うよう措置するものとする。
(有益費の償還)
第7条 農用地利用増進計画においては、農用地利用増進事業の実施により利用権の設定を受ける者は、当該利用権に係る農用地を返還するに際し、民法(明治29年法律第89号)の規定により当該農用地の改良のために費した金額その他の有益費について償還を請求する場合その他法令による権利の行使である場合を除き、当該利用権を設定する者に対し、名目のいかんを問わず返還の代償を請求してはならない旨を定めるものとする。
2 農用地利用増進計画においては、農用地利用増進事業の実施により利用権の設定を受ける者が、当該利用権に係る農用地を返還する場合において、当該農用地の改良のために費した金額又はその時における当該農用地の改良による増価額について、当該利用権の当事者間で協議が調わないときは、当事者の双方の申出に基づき町(農業委員会)が認定した額をその費した金額又は増価額とする旨を定めるものとする。
(農用地利用計画の策定時期)
第8条 町は、農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号。以下「法」という。)第15条の3第1項の規定によるこの規程の認可後速やかに農用地利用増進計画を定めるものとする。
3 前項の規定により定める農用地利用増進計画は、現に定められている農用地利用増進計画に係る利用権の存続期間の満了の日の30日前までに、当該利用権の存続期間の満了の日の翌日を始期とする利用権の設定を内容として定めるものとする。
(申出)
第9条 前条第1項の規定により定める農用地利用増進計画の定めるところにより利用権の設定を受けようとする者及び利用権の設定をしようとする者は、別に定める様式により町にその旨を申し出るものとする。
(農用地利用増進計画の作成)
第10条 町は、前条の規定によりなされた申出に基づき農用地利用増進計画を定めるものとする。
(農用地利用増進計画の内容)
第11条 農用地利用増進計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 利用権の設定を受ける者の氏名又は名称及び住所
(2) 前号に規定する者が利用権の設定を受ける農用地の所在、地番、地目及び面積
(4) 第1号に規定する者が、設定を受ける利用権の種類、内容、始期、存続期間、借賃及びその支払方法並びにその他の利用権の条件
(5) 第1号に規定する者が、現に耕作又は養畜の業務に供している農用地の所在、地番、地目、面積及び利用状況
(6) 第1号に規定する者の農業経営の状況
(通知)
第14条 町は、前条の規定による公告をしようとするときは、その公告しようとする日の10日前までに当該公告をしようとする農用地利用増進計画及び公告予定年月日を記載した書面を添付して、その旨を岩手県知事に通知するものとする。
(公告の効果)
第15条 町が第13条の規定による公告をしたときは、その公告に係る農用地利用増進計画の定めるところにより利用権が設定されるものとする。
(事業推進体制)
第16条 町は、農用地利用増進計画の作成、農用地利用増進計画に係る第12条の規定による同意の徴求その他農用地利用増進事業の実施に関する事務を推進するため、町の職員、農業委員会その他農業団体の役職員等をもって構成する農用地利用増進事業推進事務局を設置するものとする。
2 町は、農用地利用増進事業を実施するに当たっては、農業委員会の資料の提供、助言その他の協力を得るものとする。
3 町は、岩手県、岩手町農業協同組合その他関係機関と十分連絡調整を図り、これら機関の行う農業振興地域整備計画の達成に資するための施策と調和を保つように留意するものとする。
(利用権取得者の責務)
第17条 農用地利用増進事業の実施により利用権の設定を受けた者は、当該利用権の設定に係る農用地を効率的に利用するように努めなければならないものとする。
(紛争の処理)
第18条 農用地利用増進事業の実施による利用権の設定後、借賃の支払等当該利用権の設定に係る農用地利用に伴う紛争が生じたときは、当該利用権の当事者の一方又は双方の申出に基づき農業委員会がその解決に努めるものとする。
第19条 この規程に定めるもののほか、農用地利用増進事業の実施上必要な事項について、別に定めるものとする。
附則
この規程は、知事の認可のあった日から施行する。
別表(第1条関係)
区域名 | 区域の範囲 | 区域内にある農用地の総面積 |
岩手町 | 岩手町の内農用地区域に含まれる区域 | 5,256ヘクタール |