○岩手町消防団員服務規則

昭和47年7月28日

規則第14号

第1章 総則

第1条 消防団員の服務は、関係法令、条例で定められたもののほか、この規則によるものとする。

第2章 編成

第2条 各分団には、定員の範囲内で消防諸般の事務を分担するため、次の係を置く。

(1) ポンプ係

(2) 警戒係

(3) 水利監視係

(4) 伝令係

(5) 庶務係

第3条 ポンプ係は、常に機械器具の整備と諸般の消防活動を行うために必要な訓練と教養に意を用いなければならない。

第4条 警戒係は、現場における消防警戒区域の設定と警備、飛火警戒などに当たらなければならない。

第5条 水利監視係は、自然、人工水利の保全を全うするため、水利の監視と保全に努めなければならない。

第6条 伝令係は、消防の指揮連絡を確保し、総合効果を高めるため災害現場の伝令業務に従事しなければならない。

第7条 庶務係は、団及び分団の庶務を担当し、運営の企画と文書、備品の保管、整理に当たらなければならない。

第3章 火災予防

第8条 消防団員は、火災予防思想普及のため、火防点検を行わなければならない。

2 火防点検は、親切ていねいに行い、火防点検中に重大な事案を発見したときは、団長を経て町長に報告し、その指示をまたなければならない。

3 火防点検の具体的なことについては、その都度定める。

第4章 警戒

第9条 警戒は、次の3種とし、いずれも町長の指示によって従事するものとする。

(1) 季節警戒(火災危険時期その他)

(2) 臨時警戒(盆火、祭典その他)

(3) 特別警戒(警戒警報発令、地震、強風、非常急変など)

第10条 警戒の期間及び方法は、団長の指示によるものとするが、勤務に関する具体的な事項は各分団において定めるものとする。

2 分団においては、別に定める警戒日誌に必要事項を記入し、監督者巡視の際に検印を受けなければならない。

第5章 災害出動

第11条 出動の種類は、次の2種とする。

(1) 町内出動

(2) 応援出動

第12条 出動の区分、要領、種別は、岩手町消防団内規及び相互援助協定書によるものとする。

第13条 出動に当たっては、事故の防止とその安全を期するため、次の事項に留意しなければならない。

(1) 火災は練習、練習は火災と心得余裕をもって対処すること。

(2) 責任者は、機関担当者の隣席に乗車すること。

(3) 到着目標はあらかじめ定めておき、車上指揮は行わないこと。

(4) 出動に際しては、近道を選ぶこととするが、狭い道路より交通至便な広い道路を選ぶこと。

(5) 病院、学校、劇場の前、交差点、道路の曲り角、停留所、家屋の密集地域その他危険区域を通過するときは、事故を防止する警戒信号を用いること。

(6) 火災現場への先陣を争う等交通ルールを乱さないこと。

(7) 酒気を帯びて運転しないこと。

(8) 地利、水利の不案内のときは、特に通行の安全に注意すること。

(9) 車体負担の偏重、過重に注意すること。

(10) 消防車の走行中の乗降は、絶対に行わないこと。

第14条 災害現場においては、組合の消防長の所轄のもとに、団長の指揮に従い、団員が相互に連絡を保ち、一致協力して人命救助に当たり、災害を最小限にくいとめるために全力を集中すること。

第15条 現場においては、指揮連絡の緊密をはかり、現場防禦上最も有効な態勢を堅持することに努めなければならない。

第16条 災害現場の秩序維持の良否は、消防活動はもとより、盗難防止上も極めて重要であるから、警察官と協力して遺憾のないよう努めなければならない。

第17条 災害現場において、死体を発見したときは、団長が町長に報告するとともに、警察官又は検視員が到着するまで、その現場を保存しなければならない。

第18条 放火の疑いある場合は、団長は次の措置を構じなければならない。

(1) 直ちに町長及び警察官に通報すること。

(2) 現場保存に努めること。

(3) 事件は慎重に取り扱い、公表は差しひかえること。

第19条 水利の選定に当たっては、次のことに留意しなければならない。

(1) 先着隊から順次火点直近の水利を選ぶこと。ただし、1台のポンプ使用によって圧力が4分の1以上低下するときは、他のポンプは使用しないこと。

(2) 鉄道、軌道が近道である場合でも、なるべく他の順路を選ぶこと。

(3) 火災の種別が困難なときは、防禦困難なものとして、水利を選ぶこと。

(4) 水利統制の必要な地域は、有効口数を考慮して措置すること。

(5) 指揮者の命令以外に部署替しないこと。

(6) 先着隊の延長水管の横断は極力さけること。

(7) ポンプ中継の場合、元ポンプの性能は強大なものとすること。

第20条 進入に当たっては、次のことに留意しなければならない。

(1) 水管は2線延長を理想とし、状況に応じて屋内、外部進入の適正を期すること。

(2) 進入に当たっては、曲折に注意するとともに、危険物の存否、余裕水管に意を払うこと。

(3) 後着隊は、先着隊の欠点を補うよう努めること。

(4) 水利偏重、一方集中地域では、集結少ない方面の延長を忘れないこと。

(5) 風下部署は、防禦の常道と心得ること。

第21条 注水は、消防全活動に大きな影響があるので、火勢に対する先制の利を占めるとともに、火焔に誘惑されず、濃淡、風流に対する最良の判断のもとに、次のことに留意して行わなければならない。

(1) 頭からの注水で、最初に室内を一掃し、操作の安全を確保すること。

(2) 状況によっては、守勢の注水で火勢を押えること。

(3) 安全注水は、重心を低く保つこと。

(4) 注水は縦横無尽、緩急適切に行うこと。

(5) 高所への延焼は、絶対に防ぐこと。

(6) 裏は雑然としており、火の回りが早いから特に注意すること。

(7) 上部は穴をあけ、下部はふさぐこと。

(8) 袋壁、太鼓張りは破って注水すること。

(9) 階段と廊下はまず消し止めること。

(10) 外部から屋内への注水は、有効10分の4ぐらいしかないこと。

第22条 破壊消防は、水利皆無、その他やむを得ないとき火災延焼防止のために用いる手段であるが、町民に与える損害は極めて大きいから、火勢、消防力、消火対象物の状況などを総合的に判断して、最小限に止めるように心掛けるとともに、次のことに留意しなければならない。

(1) 破壊作業班の合理的な運用に意を用いること。

(2) 破壊方法を明確に指示すること。

(3) 作業員の危険防止に最善の注意を払うこと。

第23条 飛火警戒は、火災防除の要締であるため、各隊の警戒係はよく注意を払い、民間の協力のもとに、次のことに留意してこれに当たらなければならない。

(1) 火災条件に応じ、待機隊の配置の適正を図ること。

(2) 区域住民による警戒活動との連絡に徹底を期すること。

第24条 山林火災は、発見、水利、連絡、気流、防禦の方法など各種の条件が異なるから、次のことに留意しなければならない。

(1) 消防従事員の隊路安全を考慮しておくこと。

(2) 傾斜地林の場合、風上は火勢が急激であるが、風下は緩慢であること。

(3) 風の巻返しは非常に危険であるから気流の変化に留意すること。

(4) 山林の方角は、南側は最も危険で、北側は安全であること。

(5) 火災阻止線は、風の空間に生ずる巻返し箇所をその拠点とすること。

第25条 人命救助は、消防活動の優先事項であるが、これにより防禦力の低下を来さないことと、最良の判断のもとに従事員の安全を確保することに努めるとともに次のことに留意しなければならない。

(1) 先づ、出火建物の窓、出入口などに注意し、現住者の有無を確かめること。

(2) 常に窓側、寝室、階段付近には人がいるものと心得ること。

(3) 鉄格子は回りの枠を強行破壊すること。

(4) 状況により援護注水を行うこと。

(5) 検索は正面及び背面から進入し、その順序は人的危険建物を先にし、次いで延焼危険な大きなものに及ぶこと。

(6) 濃煙内の検索は、すべて検索棒、防煙具、ロープを使用すること。

(7) はしごをかけるときは、火焔の噴出危険もあるので注意すること。

(8) 救助に当たっては、下方の火焔に注意すること。

第6章 機械器具の手入、保存

第26条 機械器具の手入れは、次の3種とし、使用後の手入れ以外は団長の指定する者の検査を受けなければならない。

(1) 使用後の手入れ

(2) 月例手入れ

(3) 特別手入れ

2 使用後の手入れはその都度これを行い、月例手入れは毎月団長の指定する日時に、特別手入れは車両検査の際行うものとする。

第27条 消防自動車が故障修理等で出動できないときは速やかに団長に報告して措置するとともに、修復したときも報告しなければならない。

第7章 水利の保全

第28条 消防水利施設については、常に特別な注意を払い、その維持保全に努めなければならない。

第29条 消火栓による性能試験などを行うときは、団長から水道関係機関に連絡してその承認を受け、かつ、その指示に従わなければならない。

第8章 訓練と演習

第30条 民主消防としての使命とその責務を徹底するとともに、自信ある近代消防を確立するため、次の訓練を行うものとする。

(1) 一般教養

(2) 消防諸法令に関する教養

(3) 消防操法

(4) 消防戦術に関する教養

(5) その他科外講演など

第31条 訓練は幹部教養、団員教養の2種類とし、必要の都度日時場所を定め、招集して行うものとする。

第32条 消防演習は、毎年1回消防機関の総合演習として実施するほか、必要なときは、地域別、対象別演習を行うものとする。

第9章 雑則

第33条 消防団には、次の文書簿冊を備え、常に整理しておかなければならない。

(1) 団員の名簿

(2) 沿革誌

(3) 日誌

(4) 設備資材台帳

(5) 地域内全図

(6) 地利水利要図

(7) 指定地域図

(8) 指定建造物一覧

(9) 金銭出納簿

(10) 手当受払簿

(11) 給貸与品台帳

(12) 諸令達簿

(13) 消防法規、例規集

(14) 雑書綴

第34条 その他消防団員の服務について必要な事項は、団長が定める。

この規則は、公布の日から施行する。

岩手町消防団員服務規則

昭和47年7月28日 規則第14号

(昭和47年7月28日施行)