○岩手町成年後見制度利用支援事業実施要綱
平成27年7月7日
告示第58号
(目的)
第1条 この告示は、知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第28条、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第51条の11の2及び老人福祉法(昭和38年法律第133号)第32条並びに発達障害者支援法(平成16年法律第167号)第12条及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第77条第1項第4号の規定に基づき、町長が家庭裁判所に対して行う成年後見、保佐及び補助(以下「成年後見等」という。)の開始に係る審判の請求について必要な事項を定め、要支援者の自己決定を尊重し、及び権利を擁護し、もって要支援者の福祉の向上を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この告示において「知的障がい者」とは、知的障害者福祉法にいう知的障害者をいう。
2 この告示において「精神障がい者」とは、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第5条に規定する精神障害者をいう。
3 この告示において「発達障がい者」とは、発達障害者支援法第2条第2項にいう発達障害者をいう。
4 この告示において「高齢者」とは、老人福祉法第32条に規定する65歳以上の者をいう。
(対象者)
第3条 町長が成年後見等の審判を請求することができる知的障がい者、精神障がい者又は発達障がい者(以下この条において「知的障がい者等」という。)は、次のいずれにも該当する者で、町長が成年後見等の審判の請求を必要と認めたものとする。
(1) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第19条第2項及び第3項の規定により同条第1項に規定する介護給付費等の支給決定又は同法第76条第4項の規定により同条第1項に規定する補装具費の支給認定を町が行うべき者
(2) 知的障がい、精神障がい又は発達障がいにより判断能力が極めて不十分な者
(3) 配偶者及び二親等(民法(明治29年法律第89号)第726条の規定により定められた親等をいう。以下同じ。)内の親族(以下「親族等」という。)がいない者
(4) 親族等がいるものの、連絡を取ることができない、協力を得ることができないその他の理由により親族等による成年後見等の審判の請求が極めて困難であるため、町長が当該知的障がい者等の権利を擁護する必要があると認めた者
(5) 前各号に定めるもののほか町長が成年後見等の審判の請求が必要と認める事項を満たす者
2 町長が成年後見等の審判を請求することができる高齢者は、次のいずれにも該当する者で、町長が成年後見等の審判の請求を必要と認めたものとする。
(1) 町内に住所を有する者(介護保険法(平成9年法律第123号)第13条第1項の規定による他市区町村の住所地特例対象被保険者を除く。)又は介護保険法第13条第1項に規定する町の住所地特例対象被保険者である者
(2) 介護保険法第5条の2に規定する認知症の状態である者
(3) 親族等がいない者
(4) 親族等がいるものの、連絡を取ることができない、協力を得ることができないその他の理由により親族等による成年後見等の審判の請求が極めて困難であるため、町長が当該高齢者の権利を擁護する必要があると認めた者
(5) 前各号に定めるもののほか、町長が成年後見等の審判の請求が必要と認める事項を満たす者
(支援事業の内容)
第4条 成年後見制度利用支援事業の内容は、次のとおりとする。
(1) 知的障害者福祉法第28条、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第51条の11の2及び老人福祉法第32条の規定に基づく成年後見等の審判の請求
(2) 発達障害者支援法第12条の規定に基づく発達障がい者の権利擁護のために町長が行う成年後見等の審判の請求
(3) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第77条第1項第4号の規定による地域生活支援事業として町長が行う成年後見等の審判の請求
(4) 前3号の規定による成年後見等の審判の請求に要する費用(以下「審判費用」という。)の負担
(5) 成年後見等の審判の請求に基づき選任された成年後見人、保佐人又は補助人(以下「成年後見人等」という。)の報酬の全部又は一部に対する補助
(審判の請求の種類)
第5条 町長が行う成年後見等の審判の請求の種類は、次のとおりとする。
(1) 後見開始の審判の請求(民法第7条の規定によるもの)
(2) 保佐開始の審判の請求(民法第11条の規定によるもの)
(3) 保佐人の同意を要する行為に関する審判の請求(民法第13条第2項の規定によるもの)
(4) 保佐人に代理権付与の審判の請求(民法第876条の4第1項の規定によるもの)
(5) 補助開始の審判の請求(民法第15条第1項の規定によるもの)
(6) 補助人の同意を要する行為に関する審判の請求(民法第17条第1項の規定によるもの)
(7) 補助人に代理権付与の審判の請求(民法第876条の9第1項の規定によるもの)
(審判の請求の可否の決定)
第6条 町長は、要支援者について次に掲げる調査を実施し、その結果を総合的に検討して、審判の請求の可否を決定するものとする。
(1) 登記事項の調査 要支援者が、成年被後見人、被保佐人又は被補助人でないこと及び任意後見契約を締結していないことを法務局の登記事項証明書により調査する。
(2) 親族等の調査 要支援者の戸籍謄本その他必要な書類の交付を受け、要支援者の親族等の存否を調査する。
(4) 収入、資産等の調査 収入及び資産状況調査票(様式第3号)により要支援者の収入、資産等を調査する。
(審判費用)
第7条 町長は、前条の規定により成年後見等の審判の請求を行うことを決定した場合、成年後見等の審判の請求に要する費用のうち次の費用について、非訟事件手続法(平成23年法律第51号)第26条の規定により、負担するものとする。
(1) 申立手数料
(2) 登記手数料
(3) 郵便切手代
(4) 診断書料
(5) 鑑定料(補助の場合を除く。)
(審判費用の求償)
第8条 町長は、審判費用について、要支援者の収入、資産等の状況から審判費用の全部又は一部を当該要支援者に負担させることが適当であると認めたときは、非訟事件手続法第28条の規定により、当該費用の求償に係る申立てを行うものとする。
3 町長は、家庭裁判所が審判費用について当該要支援者が負担すべきと認めた場合は、審判の請求に要した費用の請求について(様式第5号)により当該審判費用を求償するものとする。この場合において、町長は、成年後見人等が選任された日から2箇月以内を納入期限とする納入通知書を納入期限の30日前までに当該要支援者又はその成年後見人等に送付するものとする。
(費用の補助)
第9条 町長は、成年後見等の開始の審判が決定された要支援者のうち、次の者が負担する成年後見人等の報酬に対して補助することができる。
(1) 生活保護法(昭和25年法律第144号)第6条第1項に規定する被保護者又は中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律(平成6年法律第30号)第14条に規定するいずれかの支援給付を受けている者
(2) 収入、資産等の状況から前号に準じると町長が認める者
(補助金の額)
第10条 前条の補助金の額は、要支援者が在宅者である場合は月額2万8,000円を、施設入所者である場合は月額1万8,000円を上限とする。
(報告の義務)
第12条 補助金の交付の決定を受けた要支援者の成年後見人等は、次のいずれかに該当したときは、岩手町成年後見制度利用支援事業報告書(様式第9号)により速やかに町長に報告しなければならない。
(1) 要支援者の収入及び資産状況に変更があったとき。
(2) 成年後見人等に対する報酬の額に変更があったとき。
(3) 成年後見人等に異動又は変更があったとき。
(4) 成年後見等が終了したとき。
2 補助金の交付の決定を受けた要支援者の成年後見人等は、前項の岩手町成年後見制度利用支援事業報告書により、毎年度3月31日までに当該年度の事業実施状況を報告しなければならない。
(補助の中止又は返還)
第13条 町長は、第11条第2項の規定により補助を行うことを決定した要支援者及びその成年後見人等のうち、収入、資産等の状況の変化又は転出若しくは死亡により補助の必要がないと認めたときは、補助を中止し、又は既に交付した補助金の返還を求めることができる。
2 町長は、偽りその他不正な手段により補助金の交付を受けた者があると認めたときは、直ちに交付の決定を取り消し、既に交付した補助金の全部又は一部を返還させることができる。
(補則)
第14条 この告示に定めるもののほか、成年後見制度利用支援事業の実施に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
1 この告示は、平成27年7月7日から施行する。
2 岩手町成年後見制度利用支援事業実施要綱(平成18年岩手町告示第81号)は、廃止する。
附則(平成28年3月31日告示第30号)
(施行期日)
1 この告示は、平成28年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てに関する手続であってこの告示の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの告示の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、なお従前の例による。
3 この告示の施行の際、改正前のそれぞれの告示に規定する様式による用紙で、現に残存するものは、当分の間、所要の修正を加え、なお使用することができる。